レリーフモードを使っての彫刻・切抜き ~speedy300~

 レリーフモードを使用して3mm厚 透明アクリル板(キャスト板)に彫刻・切抜きをしようと思います。



 

  データはIllustratorにて作成。

 
jobcontrolの『レリーフモード』を使用して彫刻・切抜きをしますので、彫刻データはグレーで作ります。
彫刻部分のパーツ毎にグレーの濃度を変えることにより、彫刻の深さの調節が出来、仕上がりに立体感を持たせることが出来ます。

ちなみにこの度のデータは濃い方から 100%、70%、45%、40%、30% の5段階。

『レリーフモード』はレーザー機が自動で濃度を読み取りレーザーのpowerを調整し彫刻しますので、複数のカラーを使用し彫刻部分毎に塗色を変え彫刻するよりも短時間で彫刻する事が出来ます。
例えば、カラーで黒、赤、青、緑、黄の5色に色分けをして色毎にパラメータを設定し彫刻すると、5色分 計5回彫刻機が稼動することになりますが、『レリーフモード』を使用するとグレースケール=黒1色になりますので、稼動は1回、カラー5色からすると5分の1の稼働で済みます。

『レリーフモード』というとレリーフ=浮彫、グラデーションや等高線を用いたデータで作成する滑らかな凹凸の半立体物をイメージしがちですが、部分毎に彫刻の深さを変えるのにも役立ち稼動の短縮に繋がります。
 

今回は表と裏、両面に彫刻・切抜きをしますのでデータを『表用』『裏用』の2つに分けます。

『裏用』のデータは表面から見て文章が読めるように反転しておきます

 使用機種はspeedy300 80w機。
jobcontrolのパラメーターは以下の通り。

彫刻
power 65 speed 20 PPI 1000 Passes 2回 エアアシスト OFF DPI 1000

切抜
power 90 speed 0.6 PPI 1000 Passes 1回 エアアシスト ON DPI 7000


彫刻はこの度のデータではグレー100%(=黒)がパラメータのMAX、そこから順に浅くなり、30%が一番浅い凹みになります。

切抜はレリーフモード使用でも『標準』と変わりなく行えますので、データで使用したカラー毎(今回はピンクとオレンジ)に設定します。
パラメータは2色とも同一ですが、2色に分け且つ、内側の切抜線をピンク、外側の切抜線をオレンジに設定することにより、確実に内側→外側の順に切り抜く事が出来ます。
(パラメータ設定画面の色順に準じています)


出来上がりです。

今回は彫刻幅の広い部分にあまり濃い色(高い%)を配置していませんので彫刻した部分としていない部分の段差(凹み)はあまり無く、彫刻した部分の歯車は擦りガラスのようなイメージの仕上がりになっていますが、パラメータの値を変える、彫刻幅の広い部分に濃い色を配置するなどすると上の写真とは違ったイメージの仕上がりになります。




↓作成用データです。ダウンロード後解凍しお試しください(^^♪

 Corel Draw X3
 http://firestorage.jp/download/ae5b5c074375a776b027459ff462fd4933f22459

 Illustrator CS
http://firestorage.jp/download/dbef391c8dd8c0f946464d41d2611a36a5acf311




コメント

  1. いつも貴重な情報ありがとうございます。
    何度も拝読させていただいております。

    アクリル板のカットについて質問させてください。

    「アクリル板を彫刻する際はエアアシストOFF」
    「アクリル板を切断する際はエアアシストON」
    として頂いているのですが、
    切断する際、エアアシストをONにしていると、
    発生した煙がアクリル板に強く吹き付けられ、
    それによって、煙がアクリル板に付着してしまっているようで、
    サイトに載せていただいているような、
    非常に美しい仕上がりになりませんでした。

    --------------------------

    ・Speedy400
    ・レーザー発振器:40W
    ・アクリル板:4mm厚

    ・出力:95%
    ・ヘッド移動速度:0.25
    ・PPI:1000
    ・エアアシスト:off / on (←どちらも試してみています)
    ・レーザー発振調整:30

    --------------------------------------

    また、通常はエアアシストをOFFにして切断をしているのですが、
    それでも煙が付着してしまい、切断面周囲が汚れることがあります。

    表面に保護フィルムを貼ることも考えられるのですが、
    製品は彫刻を行った後に切断をして完成なのですが、
    彫刻する面に保護フィルムがあると、
    彫刻した面が保護フィルムの糊で汚くなり、
    彫刻を行う表面には保護フィルムは貼っていない状況です。
    また、材料を動かすと位置がずれるため、
    彫刻→切断は材料を取り出さずに連続して行いたい状況です。

    この対策方法として何かありましたら、
    ご教授いただけませんでしょうか。

    お忙しいところ、大変恐縮ではございますが、
    宜しくお願いできればと思います。
    --

    返信削除
    返信
    1. お世話になっております。
      お問合せ有難うございます。

      この度お問合せ頂きました件、

      本ページで紹介させて頂いております『レリーフモードを使用しての彫刻・切抜き ~speedy300~』では、
      アクリル板両面の保護紙を貼ったまま加工、後に保護紙を剥し水やアルカリ電解水で汚れを拭き取っております。

      レーザー機を使用しての加工では、彫刻・カットともに煙(粉塵)が上がる、もしくは溶けが発生し、それを無くす事は出来ません。

      よって保護紙を貼ったままでの加工をお奨めし、盤面を保護しているものが紙以外のもの、もしくは紙の場合でもフィルムが混在しているものや糊気の強いものの場合は、一旦それを剥し、紙製のマスキングテープ(弱粘着)やロール式の付箋紙に貼り替えての加工を案内しております。

      ただし、上記の方法も万全ではありませんので、加工後速やかに水かアルカリ電解水で汚れを拭き取って頂く必要があります。

      以上、ご参考頂けましたら幸いです。

      削除
  2. ご返信いただきまして、ありがとうございます。

    長らく見れておりませんでした。申し訳ありません。

    なるほど、保護紙の上からの加工だったんですね!!

    目からウロコです!!

    大変参考になりました。本当にありがとうございます。

    以上です。
    宜しくお願い申し上げます。

    返信削除

コメントを投稿