要チェックです

【注目】各機種 レンズ・ミラーのクリーニング

 今回はレーザー機のフォーカスレンズおよびミラー(Speedyシリーズ/Rayjet)クリーニング方法のご案内です。    以前と同じパラメーター設定で加工を行っているのに「彫刻痕(溝)が浅くなった」「カットが上手く行かなくなった(部分的に貫通しなくなった、切り口が太い)」...

2019年11月26日火曜日

金属製名刺入れに写真を彫刻 ~ステンレス&マーキング剤 編~

 今回はステンレス製の名刺入れにマーキング剤を使用して彫刻(マーキング)を行います。


 これまで2回に渡り『金属製名刺入れに写真を彫刻』としてデータ作成とアルマイト加工アルミ製名刺入れへの彫刻(マーキング)を紹介してきましたが、今回はその第3弾、『ステンレス製名刺入れへの彫刻(マーキング)』です。

 これまでのページはこちら↓
金属製名刺入れに写真を彫刻 ~データ作成編~ (2019年8月28日 更新)
金属製名刺入れに写真を彫刻 ~アルマイト加工アルミ編~(2019年9月13日 更新)

 しかし、弊社のCO2レーザー機では出力の関係上ステンレスその他金属(アルマイト加工アルミ除く)への彫刻は出来ませんので、マーキング剤を使用してのマーキングになります。
 また、マーキング剤はテープ状のものを貼付けて加工、または液体状のものを塗って加工になるため、レーザー照射部分の凹は無く、極僅かですが凸が出来る状態になります(※)。

 Trotecのマーキング剤↓
金属へのマーキングに!『Thermark Tape』(2017年4月4日 更新)

※加工後は爪で擦っても取れませんが、強い摩擦や経年などで摩耗することはあります。

  
 まずはデータから。
 以降corel DRAW 2017での説明になります

 基本となる猫の写真(画像)は『金属製名刺入れに写真を彫刻 ~データ作成編~』で加工したものを使用していますが、同タイトル『アルマイト加工アルミ編』とは異なるポイントが2つ。

① 今回はマーキング剤を使用しますので、白黒反転は行いません
 マーキング剤を使用すると、画像の黒い部分が黒くマーキングされ、白い部分は白く(加工対象物の地の色)残るため、画像の白黒反転を行うと、猫の黒目の部分が白く抜けてしまったり、鼻や口元などの影の部分の色が無くなり画像が欠けているように見えたりするようになります。
 もちろん、使用する画像や目的によっては白黒反転を行った方が良い場合もありますので、その都度必要に応じて行ってください。

② モノクロ(1ビット)変換でのライン数は『3』にします。
 使用する画像やその解像度にも寄りますが、『アルマイト加工アルミ編』で使用したライン数『4』にすると、網点の目が細かすぎ、潰れてしまう(点と点の間が詰まってしまう)傾向にあります。
 なので、アルマイト加工アルミに行うよりも少し大きめの網点に設定しておきます。

 上記2点と
・モノクロ(1ビット)変換後は拡大・縮小ツールを使用してのサイズ変更、データサイズの変更(解像度の変更)は行わない。
(Corel上でロゴやマークを挿入する以外の作業はすべてモノクロ(1ビット)変換を行うまでに行っておく)
を踏まえ、データを作成し加工に進みます。

◆使用レーザー機その他
・Speedy 300 80w
・2.0inchレンズ
・細口ノズル
・Thermark Tape(※)
※25mmと50mmどちらでもOKですが、貼り合せる場合、テープの継ぎ目に隙間が空かない、テープ同士が重ならないよう注意が必要です。
 尚、上記をクリアしても光に透かすと貼り合せた部分に薄く筋が入って見えますので、出来るだけ目立たない部分で継ぐことをお奨めします。

◆その他用意するもの
・ステンレス製名刺入れ(100均のものでOK)
・柔らかい布(加工前の塵やホコリ、指紋、加工後の彫刻カスを拭き取ります)
・水またはエタノール(キッチン用アルコールでもOK)

◆パラメーター
DPI:1000(500)
ハーフトーン調整:モノクロ
パワー:100 スピード:20~10 PPI:1000

◆加工のポイント
・まず最初に、ステンレス製名刺入れの加工を行う部分の汚れ(塵やホコリ、指紋など)を柔らかい布(場合によりエタノール等使用)で拭き取り、Thermark Tapeを貼って、指で押さえしっかりと馴染ませます。

・今回は名刺入れのフタの表側ほぼ全面にマーキングを行うため、表面をすべて覆うようにテープを貼り付けていますが、部分的にマーキングを行う場合はその必要箇所のみに貼ります。

・DPI:1000(500)について
 500でも加工可能ですが、スピード:20程度では網点の点々が小さいところが出づらいので、10程度にするなど様子見が必要です。 

・スピード:20~10について
 黒ベタ(網点処理の無い白黒のもの)のマーキングであれば20程度でOKですが、今回のような網点処理有りの画像の場合は、20では網点の点々が小さいところ(色目で言うと白に近い灰色の部分)が出づらいので、10程度で様子見が必要です。
 但し、DPI:1000でスピード:10にすると加工中ステンレスの板が反ってくるので注意が必要です

 加工終了後、残った部分のThermark Tapeを剥し、水またはエタノールで湿らせた布で彫刻カス(黒いスス)を拭き取って完成です。

◆加工イメージ


※動画内では撮影用にレーザー機のフタを開けて加工しています。
実際に加工する際は、必ずフタを閉じて行って下さい。
※加工中は必ずレーザー機の傍に居るようにし、目を離さないでください。

◆出来上がりイメージ


 データで作成した網点のすべての点々が再現(マーキング)出来ているわけではありませんが、雰囲気は解る感じに。



 マーキングを行った網点を拡大するとこんな感じに。
アルマイト加工アルミにマーキングした時よりも網点を大きくした分、拡大すると全体が曖昧な感じに見えますが、網点の点々が潰れていない(潰れすぎていない)ため、グラデーションができ、ひげの細かい部分も表現できています。






 

2019年10月30日水曜日

fiberでハロウィン向けイラストパネルをつくる

 今回はfiberレーザーを使用しHALLOWEEN向けイラストパネル作成します。


 以前、2回に渡り塗料や素材にfiber(ファイバー)レーザーを照射し、それぞれどんな結果が出るかテストを行いましたが、今回はそのテスト結果を踏まえて、イラストパネルを作成したいと思います。

●以前のページはこちら
fiberを塗料や素材に照射してみる(2018年2月18日更新)
fiberを塗料や素材に照射してみる【その2 カラー編】(2018年3月15日更新)

  以前のテストで、fiberレーザーは黒や暗い色(緑や紫、紺色など)の塗料には反応し塗膜が剥がれるものの、明るい色(黄やオレンジ色など)の塗料にはほぼ無反応、殆どキズもつかないことが解りました。
 そこで今回は、キャンパスに下塗り材と水性塗料の黒色、クリア、オレンジ色で自作の2層板を作成し、HALLOWEEN向けの壁掛け用イラストパネルを作成したいと思います。

●今回ご紹介する方法で市販の2層板の彫刻は行えません。


 まずはデータから。

 今回はIllustrator CS6で作成しました。
黒い部分を彫刻、白い部分が残る状態。黒い部分の塗膜が剥がれオレンジ色に、白い部分が残り黒色になります。


◆用意するもの
・キャンバス(無ければ5mm以上のアクリル板など。薄いと反る場合があります)
・下塗り材(ジェッソ)
・水性塗料:オレンジ、クリア、黒(スプレータップ、ハケで塗るタイプどちらでも可。オレンジは厚塗りが出来るようハケで塗るタイプの方が望ましい)

◆使用レーザー機その他
レーザー機:speedy300flexx fiber30w
レンズ:3.2inch(fiber用)

◆パラメーター
DPI:500
パワー:60 スピード:20 PPI:1000 Zoffset:+2mm Passes:2
エアーアシスト:OFF 発信調整:10(デフォルト)
加工方向:bottom

●加工手順
 キャンバスに用意した材料を下塗り材→水性塗料 オレンジ→クリア→黒の順にそれぞれ2回以上を目安に塗り重ねます。
 色の順番を間違えないよう注意が必要です。
 黒の上にオレンジを塗装しfiberレーザーで加工を行うと、オレンジの下の黒にレーザーが反応し表面がボコボコになります。
 クリア色は無くてもOKですが、その場合オレンジが少し黒くくすんだ色の仕上がりになります。
 少々時間はかかりますが、下塗り材、水性塗料ともに塗る毎に良く乾かしてから塗り重ねてください。
 最終の黒色塗料を塗り、十分乾かした後、彫刻に進みます。

●パラメーターについて
 2回に分けて彫刻を行うことで、1回で行うよりもよりオレンジ色が鮮やかに発色するよう調整しています。
 1回目で黒色の粗方を剥し、2回目で残りの黒色と1回目で加工部分に溜まった彫刻カスを取り除く状態になりますので、2回目を行っても黒色が残っている場合は出力を少し下げて3回目を行って下さい。
★出力が高すぎたり、何度も繰り返し照射を行うと、オレンジ部分の焼けや剥がれに繋がります。
 様子を見ながら調整してください。

●エアーアシストについて
 黒色の彫刻カスの飛び散りを軽減させるために今回はOFFにしています。

●加工方向について
 下(手前)から上(奥)方向へ加工を行うことにより、彫刻カスでの汚れを軽減させます。 
 Jobcontrol10.6以前は上部ツールバーより『テンプレート』→『テンプレートの設定』→『加工の向き』で『bottom』を選択
 Jobcontrol10.7以降は『材料テンプレート』内『方向』で『bottom』を選択


◆イメージ動画です


★撮影用に上面のフタを開けて加工を行っています。実際に加工を行う際は必ずフタを閉じて行って下さい。
★加工中は必ずレーザー機の傍に居るようにし、目を離さないでください。


◆出来上がり

出来上がる少し前、2回目の彫刻中。
 明るいオレンジ色の部分(手前側)が2回目終了後、暗いオレンジ色(奥側)の部分が2回目まだの部分。
 はっきりと色の違いが見て取れます。

加工終了。
 黒の塗膜が剥がれ、はっきりとしたオレンジと黒、2色のイラストになりました。

細かな部分(左写真右端の木 約8×10mm)もキレイに出ています。


★今回使用したデータです(^_^)b

http://firestorage.jp/download/4a290fd15ba37c2eef6c72aa5d1eb1e562252817
PDFファイルです。ダウンロード後解凍してご使用ください。




2019年9月13日金曜日

金属製名刺入れに写真を彫刻 ~アルマイト加工アルミ編~

 前回『金属製名刺入れに写真を彫刻 ~データ作成編~』に続き、今回はアルマイト加工アルミへの彫刻です。
『彫刻』とはいうものの、トロテックのレーザー機では、出力の関係で基本的に金属への加工は彫刻・カットともに行えないため彫痕(凹)は付きません。
 しかしアルマイト加工を施されたアルミ製品については、アルマイト加工の被膜にレーザーを照射すると白っぽく変色することを利用し、白い色のマーキングを施すことが出来ます。


 まずはデータから。

前回加工した写真を実際の加工サイズ(タテ・ヨコサイズ)に調整後、必要に応じてカラーの色反転(※1)、最後にモノクロ(1ビット)変換(※2)を行います。
 その他、モノクロ(1ビット)変換後の加工サイズの微調整(上部ツールバーより『交差』で必要な部分のみを抜取り)やロゴの挿入などもこの時に。
注)モノクロ(1ビット)変換後は拡大・縮小でのサイズ調整、データサイズの変更(Corel内での解像度変更)は不可です!

 上記の作業はPHOTO-PAINT、Corel DRAWどちらでも行えますが、Corel DRAWで行った方が加工テスト後の微調整などの際後戻りしやすいので、作業効率的にはCorel DRAWの使用がお勧めです(^_^)b
 『モノクロ(1ビット)変換』での網点の細かさ(点の大きさ)や角度は適正(※3)と好みによりますが、今回私が使用した写真はラインを4、角度を45度にしています。

※1 カラーの色反転 それぞれ上部ツールバーより
・PHOTO-PAINTの場合 ★PHOTO-PAINT2017使用時
『イメージ』→『変形』→『カラーの色反転』

・Corel DRAWの場合 ★Corel DRAW2017使用時
『効果』→『変形』→『カラーの色反転』
 データ上で黒い部分が白く、白い部分が黒(加工物の色)くなる事を念頭に置き、白黒反転を行って下さい。

※2 モノクロ(1ビット)変換 方法はこちら↓
網点データで写真彫刻 2 ~網点データの作り方~(2017.08.21更新)

※3 写真のデータサイズや解像度、内容により異なります。
網点の目が細か過ぎると潰れてベタッとした出来上がりになってしまったり、逆に大きくし過ぎると曖昧になり細かな部分が表現されにくくなったりするので、加減が必要です。


 加工に進みます。

◆必要なもの
・アルマイト加工アルミ製の名刺入れ(100均のものでOK)
・柔らかい布(加工終了後、加工時に出た粉を拭き取ります。無くてもOK)

◆使用レーザー機その他
レーザー機:Speedy300 CO2 80w
レンズ:2.0inch
DPI:500
加工モード:標準
ハーフトーン調整:モノクロ

◆パラメーター
パワー 50 スピード 55 PPI 1000
目安としてご覧頂き、ご使用のレーザー機のw数や実際に加工を行う製品(加工対象物)により調整してください。

・wの換算(例:80wでの加工を60wのレーザー機で行いたい場合)
80w×50%=0.50×80w=40w(約40w)=60w×0.67(0.666)=60w×約67%
(60w×▲%=0.▲×60w=40w 0.▲=40÷60)
=80wでパワー50%の場合、60wで約67%
※あくまでも換算です。微調整はその都度行ってください。


   加工イメージです↓


※動画内では撮影用にレーザー機のフタを開けて加工しています。
実際に加工する際は、必ずフタを閉じて行って下さい。
※加工中は必ずレーザー機の傍に居るようにし、目を離さないでください。


出来上がり。
元の写真と比べると、すべてのグラデーションが忠実に再現されてはいませんが、猫の毛並みや陰影、立体感など『雰囲気』が出せている事が解ります。

 またモノクロ(1ビット)変換での『モアレ』については、猫の頭上(左右の耳の間)の部分をよく見ると少しモアレ(=格子状の柄)が出ていますが、目立つのはその部分のみで猫に関しては出ていない(目立たない)ので今回はOKにしています。


 網点の目は拡大するとこんな感じに。
 必ず加工テストを行い、潰れない(潰れすぎない)程度にパラメーターを調整するのが程良い出来栄えになるカギです。


 

2019年8月28日水曜日

金属製名刺入れに写真を彫刻 ~データ作成編~

 今回は写真彫刻を行うためのデータ作成についてです。

左/アルマイト加工アルミに彫刻 右/ステンレスにマーキング剤使用彫刻
一口に『金属製名刺入れに写真彫刻』と言っても、『金属製名刺入れ』には一般的にアルミのものやステンレスのものなどがあり、『写真彫刻』の方法にもアルマイト加工されたアルミにはCO2レーザーで、加工されていないアルミやステンレスにはマーキング剤を使用しCO2で、またはfiberレーザーで、など様々な製品と加工方法があります。

 という事で今回から数回に渡り、同じ写真を使用してそれぞれの製品に適した加工方法で『写真彫刻』を行ってみたいと思います。

 先ずはデータ作成から。
※以下、PHOTO-PAINT2017での説明になります。


 これまでにも複数回に渡りデータの作成方法(写真の加工方法)を書いてきましたが、ページをご覧頂いたユーザー様から①「どこまで加工すれば良いか解らない」②「網掛け(モノクロ1ビット変換)すると柄が出来て(※1)」というお声をちらほらお聞きするので、今回は「その辺どうなのか?」をもう少し掘り下げたいと思います。

①カラー写真から白黒(グレースケール)写真へ
 カラー写真を切抜きやぼかし等加工を行いグレースケールに変換、メリハリをつける、必要に応じて加減する、その方法は以前書いたものと同様ですが、それが「どこまでか」について。
 ★過去記事(写真加工の基本)はこちら→PHOTO-PAINT紹介ページ
  こちらも合わせてどうぞ→石に彫刻する ~データ作成編~

 基本的な作業の後、グレースケールに変換した写真のメリハリの付け方がポイントになります。
 ただ単純にカラーのものを『調整』→『グレースケール』でメリハリをつける、またはグレースケールに変換後『トーンカーブ』または『輝度/コントラスト/強度』でメリハリをつける、とこんな感じに↓


 同じ色味のところは同じように白くなったり黒くなったりするため、写真全体でメリハリのバランスを取ろうとすると、毛並みにはメリハリがあまり出ず全体的にぼんやりグレーな感じ、それに対し目と口元、首辺りが影が出来ている加減もあり必要以上に黒くなり、鼻筋や目の周り、背景(頭の上)が白く抜けた感じ、頭と背景の境も曖昧になっています。 
 このままで白黒反転&モノクロ(1ビット)変換しレーザー機で加工を行うと、グレー部分の濃淡(網点の目)を完全には再現し切れない為、全体的に白っぽくベタッとした状態に仕上がります。

 なので、グレースケールの写真にレーザー加工に必要な程度のメリハリをつけるには、各パーツ毎に写真を切り分けてレイヤーを作成し、部分毎に調整ならびに書き足しをする必要があります。


 最終的に上画像内 左の写真の状態にするあたり、『全体』『顔』『顎下首回り』『目』『カーペット』『頭の上』計6個のレイヤーに写真を切り分け、前足周辺やカーペットとの境目の補正用に『下部塗り足し』、首回りとそこから上部分の描き足し用に『柄足し』を加えました。
 
 そして、前述のカラー写真および白黒写真と見比べてみると解る通り、各部分毎に黒い所は黒く、白い所は白くメリハリを付けた他に、随分と描き足しを行っています。
 顎下首回りの毛並みは勿論、右前脚の関節辺り(向かって左端部分)、口元、鼻筋、額の柄、頭と背景の境目など「無いものは作る」感覚でガンガン描き足して、カラー写真と見比べながら雰囲気を出しています。

 この『雰囲気を出す』が最重要ポイントですので、猫や犬など動物の場合は、毛並みや柄などその個体の特徴となる部分が光(グレーの濃淡)の加減で見えなくなっている、曖昧になっている場合などは、元の写真をよく観察し、雰囲気が似る様に作っていきます。

 今回使用した写真の場合だと、この猫は割と柄がはっきりしている茶トラで、額や顏周辺の柄は白黒に変換しても割とはっきり見えますが、顎下から首回り、胸辺りの柄は白黒にすると柄なのか毛が重なっている影なのかよく解らず、毛並みも全体的にベタッと束になっている感じです。(前述 カラー写真、グレースケール変換並びにコントラスト調整後写真参照)
 なので、『それっぽく見える様に』色の違いが見えている柄にも更に描き足して柄の強弱を付け、大きな束になって見える毛並みはふんわり・もふもふ感が出るように小さな毛束を描いて、柄か影かが解りにくい部分はそれなりに雰囲気を寄せて作っていきます。

 そしてグレー濃淡の調整および描き足し終了後、必要に応じて白黒反転、モノクロ(1ビット)変換を行います。


②グレースケールの写真をモノクロ(1ビット)変換する

 この時に出来て困るのが『柄』(上記※1)で、その柄とは『モアレ(モワレ)』です。
 モアレとはモノクロ(1ビット)変換で出来た網点の点と点がくっつき柄のように見える状態のことで、モアレが出来た画像をレーザー彫刻に使用すると、加工を行ったものにもそっくりそのまま表現される為、モアレをデザインの一つとして利用する以外は、残念な見た目ということになってしまいます。
 

 PHOTO-PAINTでモアレが出来る原因の一つが画像のデータサイズ(ピクセル)と解像度(dpi)で、解像度が低いと出やすい傾向にあり、高く(1000dpi以上など)ても『ライン』の数により出ることがあります。
 なので、彫刻に使用する写真の解像度は350dpi以上(低くても300dpiまで)とし、ラインも2~5あたりで様子を見る(※2)など調整が必要です。 

 ちなみに、一般的な印刷物に関しての線数の目安として、新聞で60~80線、カラーのカタログなどで150~200線などがあり、解像度1000dpiの場合、Photoshopで彫刻用データを作成する場合は80~175線程度に設定しますが、PHOTO-PAINTの『ライン』は3程度でPhotoshopの80線くらいの網点になるようです。


(※2)2~5あたりで様子を見る
目安です。
実際に使用する写真とその解像度により数値を調整してください。
5以上でもモアレが出ない(出ても目立たない)場合もあります。
 但し、数値を上げる毎に網点の目が細かくなる為、加工を行うと点が潰れベタっとした出来上がりになる事がありますので程々に。

 ここまでで一先ず写真の加工は終了です。
次回は今回作成した写真を用いて、アルマイト加工されたアルミ製の名刺入れにCO2で彫刻してみたいと思います(^_^)b















2019年7月17日水曜日

アクリル板でメガネスタンドをつくる

 今回はトロテック商材のアクリル板を使用してメガネスタンドを作ってみたいと思います。


 トロテック商材のキャストアクリル板(3mm厚)はカラーバリエーションが計42色と豊富!なので幅広いカラーイメージでディスプレーやPOP、インテリア、服飾品などを考案、作成して頂く事が出来ます。

◆トロテック商材について(東京本社公式ページです)
https://www.troteclaser.com/ja/laser-machines/engraving-supplies/


 という事で、今回はその豊富なカラーバリエーションの中から5色を使用し、インテリアとしても素敵な(!?)眼鏡スタンドを作成します。


 まずはデータから。
 今回はIllustratorで作成しました。


 複数のパーツにそれぞれ『右用』『左用』、『表用』『裏用』などがあります。
加工中混同しないように注意してください。
 赤がカット線、黒が彫刻。黒は20%、60%、100%の灰色で作成しています。
 今回はjobcontrol内で『最初に内部ジオメトリ』にチェックを入れ加工に進みます。
これを使用する事により、加工物のカット線を全て同色で作成していても内側の線から
カットを始め、最後に一番外のカット線(加工物の輪郭線)をカットするようにレーザー機が判断し加工します。
 
 各パーツを繋げる(差し込む)穴のサイズは実際に使用する部材の厚みをノギスなどで正確に計測し、調整してください。
 同じ3mmのアクリル板でも、個々の板や板の部分により僅かですが厚みに誤差があります。
 今回は『表用』『裏用』など2枚を貼り合せて1枚のパーツにするため、その誤差が顕著に表れることになりますので、パーツを作成する際は
『つる置き』から作成→貼り合せた『つる置き』の厚みを計測→差し込む穴のサイズを調整
の順に加工を進め、最後に『台』を作成するとスムーズに加工を進める事が出来ると思います。

◆材料
★トロテック商材
『TroGlass Color Gloss』
・品番:144598 透明 グリーン
・品番:145792 蛍光 イエロー
・品番:144589 オパール(半透明) レッド
・品番:144592 野外用メタリック メタリックゴールド
『TroGlass Frosted』
・品番:144581 ライトピンク

★その他
・マスキングテープ
・材料浮かせ用治具(参考:治具をつくる 【板材を浮かせる 編】
・アクリル用ボンド(乾くと透明になるもの、接着した周辺が白くならないもの)
・竹串

◆使用レーザー機その他
・レーザー機:speedy300 80w機
・2.0inchレンズ
・太口ノズル
・ハニカムカッティングテーブル

★パラメーター 
・DPI:500
・加工モード:レリーフ
・ハーフトーン調整:ディサ生成
・高度なジオメトリ:ON
・最初に内部ジオメトリ:ON
・彫刻(黒)/パワー:95 スピード:7.0 PPI:1000
・カット(赤)/パワー:50 スピード:0.2 PPI:5000

 アクリル板はそれぞれ両面の保護フィルムを剥し、表にする面(レーザーを照射する面)の、加工を行う部分全体にマスキングテープを貼って加工します。

 アクリル板の裏になる面(レーザー照射する面の逆側の面)にはマスキングテープを貼りませんので、ハニカムカッティングテーブルからの反射や材料浮かせ用治具との接点などで若干の溶けや汚れが付く事があります。
 今回は複数のパーツを組み合わせて眼鏡スタンドに仕立てますので、裏面の溶けや汚れは特に問題ありませんが、気になる場合は裏面にもマスキングテープを貼って加工してください。
 尚、その場合は少し出力不足になりますので、レーザーの出力を少し上げて(パワーを上げる、またはスピードを下げる)ください。
 
◆組み立てのポイント


 彫刻・カットを行ったパーツをそれぞれボンドで貼り合わせ、組み立てに進みます。
作成した各パーツの中には細い部分や、板を彫刻で削り薄くなっている部分があります。破損しないように慎重に組立ててください。


① つる置き(写真内 左上下)
右用、左用それぞれ接着剤で貼り合わせ、右用に『へ』『の』じの『点々』を、左用に『へ』『の』を貼ります。

 『へ』(写真内 右)
写真は説明用に裏向けています。
表になる方が『へ』の字に読める様に、裏側に残りの部品を貼ります。
この時、裏を向けて左側(写真① 緑の矢印の位置)に溝が出来る様に部品を合わせます。
※溝の幅は予め透明グリーン(眼鏡スタンド 右面)のパーツの厚みを計測し、カット時に調整してください。

②ブリッジ(山)を乗せる部分
眼鏡スタンド中央の板(赤色)2枚を貼り合せた後、金色2枚の『も』をそれぞれ、赤い板を挟むように貼り合せます。
 この時、赤い板の『も』と2枚の金色の『も』は少し形状が異なっていますので、貼り合せる位置が重要になります。
 写真②の緑の矢印で示している位置がずれないように3枚を合わせます。

③ 台
蛍光イエローの板の上に透明グリーンの板を貼ります。
各パーツを差し込む穴がずれないように注意が必要です。

④振り子
組み上がった眼鏡スタンドの透明グリーンと蛍光イエローのパーツの間に振り子のパーツを差し入れ、適当な長さに切った竹串を穴(写真④ 緑矢印の位置 約3mmの穴)に通して吊るします。
竹串の両端は透明グリーンと蛍光イエローの板で作成した竹串留めを差し込み、抜けないように固定します。

◆出来上がり


 20%の彫刻は溝(凹み)が殆ど無いスリガラスのような状態、60%の彫刻はアクリル板の3分の1程度の厚み(凹み)に。
 アクリル板1枚分(約3mm)、2枚分(約6mm)の他、3枚分(約9mm、『も』部分など)、彫刻で凹を付けた最小約1mmまで、さまざまな凹凸のある立体的な眼鏡スタンドが出来上がりました(^_^)b 



◆今回使用したデータです。
ダウンロード後、解凍して使用してください。
http://firestorage.jp/download/c40adf979300de5a1d0d126e105ffb535be2074f
(PDFファイル)



2019年5月20日月曜日

trotec商材を使用して名札をつくる

 今回はトロテック商材の内、キャストアクリル板を使用し名札を作成したいと思います。


 まず、ざっと商品の紹介から。
 トロテックの商材には大きく分けて『キャストアクリル板』『二層板』『木板(無垢・合板)』『ゴム板』の計4種の板材と『紙』があります。
 それぞれにカラーや厚みのバリエーションがあります(※1)が、中でも豊富なのが『キャストアクリル板』と『二層板』です。

 キャストアクリル板には3mm厚の色付き(有色透明8色、蛍光透明5色、半透明14色、メタリック4色、つや消し11色 計42色)と無色透明(※2)がありますので、カラーイメージを広げてディスプレーやPOP、インテリア、服飾品などを考案、作成して頂くことが出来ます(^_^)b

※1)ゴム板は現状2.3mm厚、ライトグレー色 1種のみです
※2)無色透明のみ3~20mmまで8種の厚みがあります


トロテック・レーザー・ジャパン 本社のウェブサイトはこちら↓
https://www.troteclaser.com/ja/laser-machines/engraving-supplies/
『トロテック商材』(レーザー加工用の材料)

 その中で、今回はメタリック色のキャストアクリル板を使用し名札を作成します。

◆商品詳細
シリーズ:TroGlass Color Gloss
商品名:屋内用メタリック
品番:144593 
色名:メタリックブライトシルバー(※)
サイズ:606×300mm
厚み:3mm 
※)見た目は白いパール色です 

◆使用レーザー機その他
・speedy300 80w
・2.0inchレンズ
・太口コーン
・材料浮かせ用治具(※)
・水性塗料(アクリル絵の具、ペンキなど)

※材料浮かせ用治具 作り方:
治具をつくる 【板材を浮かせる 編】(2018年11月9日更新)

◆パラメーター
DPI:500
彫刻:パワー 30 スピード 10 PPI 1000
カット:パワー 80 スピード 0.4 PPI 7000

 アクリル板両面の保護フィルムを剥し、マスキングテープは不使用(※1)で彫刻、カットを行います。
 加工終了後、台所用アルコール等で汚れを拭き取り(※2)、水性塗料で色入れを行って完成です。

※1 マスキングテープを貼って加工を行う場合は彫刻、カットともにパワーを10%程度上げてください。

※2 アルコール類を使用する場合は、柔らかい布に少量含ませ、軽く拭く程度で汚れは落ちます。
付け過ぎ、擦り過ぎに注意してください。
(ひび割れの原因になることがあります。材料の目立たない部分で試してから使用してください)

カット断面もつるりと滑らか、キレイに仕上がりました(^_^)b

 







2019年2月26日火曜日

JCV キャリブレーションの重要性

 今回はJCV(Job Control Vision)のキャリブレーションの重要性についてです。

キャリブレーションを行わないとこんな事に。
赤い点線が本来のカット位置。1mm程手前にずれてカットされています。
以前にもJCVの製品紹介ならびに使用方法、作業に当たる上での注意点などをUPしましたが、今回はその中でも、JCV使用に際しての第一段階、『キャリブレーション』についてお話ししたいと思います。

 以前の記事はこちら↓
ジョブコントロール ビジョン ~製品案内とデータ作成~(2016年1月19日掲載)
ジョブコントロール ビジョン ~カット 準備~(2016年2月2日掲載)
ジョブコントロールビジョン ~カット~(2016年2月2日掲載)
JCV(ジョブコントロールビジョン)の基本を考えてみる(2016年4月22日掲載)


 JCV使用に関してのお問合せで割と多く頂くのが「カットがずれる」というもの。
 その具体的な内容をお伺いすると「印刷物に対し本来の位置よりも全体的に少しずれてカットされる」というお応えがその中でもまた多い内容です。

 この症状の時に一番重要になるポイントが『キャリブレーションを正確に行い、保存したか』です。
 しかし現状、「やってない」「…キャリブレーションて、何?」とお応えを頂く事もしばしば。
 なので、今回は以前UPした内容も踏まえて、再度、キャリブレーションの重要性について書いていきます。


 そもそもキャリブレーションとは、JCVとレーザーヘッドを同期させる=レーザー機にJCVカメラの位置を認識させるのが目的の行為なので、行わない、または適当に済ませて加工に進むと、レーザー機は正確なカメラの位置を認識せず動作するため、レジストレーションマークを読み込んでも、正確性に欠けた位置で加工を行うようになります

 キャリブレーションの方法はこちら↓
ジョブコントロール ビジョン ~カット 準備~
★文章内、中程より
『~レーザーヘッド(レーザー照射部分)とJCVカメラの同期~』

●キャリブレーションの大まかな流れと注意点

1、必要なものを用意する
・白いコピー紙または太めのマスキングテープ
★柄入りや濃い色の紙やマスキングテープ、透明板、木材等は不適当
キャリブレーション(=位置認識)を行うためのものですので、実際に加工する資材でなくてOK
・2~3㎝以上の高さの台になるもの
紙を上に乗せた時その直下に空洞が出来るもの、粘着テープの芯部分等でもOK
  
2、jobcontrol画面の右下、接続ボタンを押し本体と接続する
  
3、jobcontrol画面内上部ツールバーより『設定』→『オプション』をクリック
『オプション』の画面内、『ハードウェア』から枝分けされた『ビジョン』をクリック
『オプション』画面内『キャリブレーション』をクリック
  
4、『カメラオフセットのキャリブレーション』画面で、画面内の指示に従い準備を行って『開始』をクリック
  
5、レーザー機のヘッドを置いた位置に○が切抜かれ、JCVカメラがその位置に移動して止まる
★切抜いた○の中の部分が抜け落ち、パソコンのモニターにはその穴が●として認識されます。
抜け落ちなかった場合でも、カットラインの○(細い筋)で認識は可能ですが、抜け落ちた方がより認識が良くなります。
  
6-A、『プロセスが完了しました』画面が出ると位置調整終了
『保存』をクリック
キャリブレーションの画面を閉じる
必ず『保存』をクリックしてください
保存せずに終了すると、4までで行ったキャリブレーションは無効になります

6-B、『キャリブレーション』画面が出た場合
5の後『プロセスが完了しました』ではなく『キャリブレーション』画面が出た場合は
画面右下の『調整する』をクリック

チェックする点は2点、
・モニター内で●は鮮明な黒丸になっているか
・モニター内の緑色の○内に●がはみ出る事無くすべて収まっているか 

 出てきた画面『カメラ環境設定』内の『露出』『ガンマ』『閾値』のゲージをスライドさせ、ゲージ右側のモニターを見ながら露出調整を行う
  ↓
 露出調整完了後『OK』を押し、
モニター内の緑色の○から●がはみ出ている場合は『キャリブレーション』画面内の十字の矢印と大きさのチェックボックスで位置調整を行う
★この時に適当に済ませてしまうと、カットのずれが生じる原因になります

 露出調整を行っても●が鮮明にならない、モニター直下の緑色のメーターが100%にならない場合は、
・フォーカスの合わせ直し
台の上に置いた紙にフォーカスを丁寧に合わせてください
★キャリブレーション完了後、実際の加工物のカットを行う際、フォーカスの調整を忘れないよう注意してください。

・JCVカメラのLEDアダプターの掃除
JCVカメラからLEDアダプターを取り外して、アクリルガラスを掃除してください。
★ガラスクリーナーやレンズクリーナーを使用してください。アセトンなどが含有された溶剤はアクリルガラスの透明度を損ねるため、使用しないでください

7、調整が完了したら、『OK』を押し画面を閉じます。

 以上でレーザーヘッドとJCVカメラの同期が終了、レーザー機がJCVカメラの位置を認識した状態になります。

◆その他
 キャリブレーションを正確に完了、保存してもカットを行うと位置がずれる、ずれる幅が目に見えて大きい、カットラインに歪みが出る、等の場合は他の事が原因の可能性もあります。

・jobcontrolの画面に配置したカット用データの位置と、カットを行う材料の位置(材料に印刷されているレジマークの位置)が大きくずれていないか
・レーザー機 庫内にハニカムや治具を設置している場合、ハニカムや治具の位置がずれていないか
・作成したデータ内で、カット用のラインと、印刷用のイラストなどの位置がずれていないか
 
などを今一度確認し、どうしても解決に繋がらない場合はサポートまでお問い合わせください(^_^)b