キーホルダーをつくる

 今回は前回に引き続き、CorelやIllustratorなどを使用しないデータ作成と加工についてです。

 前回『作図用ソフトと画像加工用ソフト』で予告した通り今回はCorel DRAWやIllustrator、photo shop、PHOTO-PAINTを使用せずデータ作成と加工を行いたいと思います。

前回のはこちら 作図用ソフトと画像加工用ソフト(2021.07.05更新)

 今回は写真加工を『ibisPaint(アイビズペイント)』、写真の切り抜きおよびカット線の作成を『Inkscape(インクスケープ)』で行いました。
 ibisPaintは携帯端末用で無料版(ipad/android、有料版あり、アプリ内課金あり)のアプリ、Inkscape(インクスケープ)はPC用でこちらも無料のソフト、それぞれwebページなどからダウンロードして使用します。

 ということで、今回はibisPaint(iPad使用)で写真の色調整など加工をした後、Inkscape(Windows使用)でインポートし写真の切り抜きとカット線を作成という流れになります。
 この場合一番に気を付けるのは拡張子、ibisPaintそのままのファイルではInkscapeにインポートできないので一通り加工が完了した写真を.jpgで保存しておきます。


 先ずは写真の加工から。

 スマートフォンで撮影したカラー写真のデータをトリミング、サイズ調整、色調整、白黒反転(★1)、モノクロ1ビットに変換までをibisPaintで行いました。
 この時、ibisPaintには『モノクロ1ビット』(もしくは『モノクロ2階調』)というモードが無いため、フィルター機能で『マンガ調背景』というフィルターを使用しました。
 また、Corel DRAWやPhotoshop同様、モノクロ1ビット(今回は『マンガ調背景』)に変換後は画像のサイズを変更できない(行うと網点のサイズも変わってしまう)ため、実際の出来上がりサイズにサイズ変更した後、マンガ調背景フィルターを使用します。

 次に作図へ。
 ibisPaintでの加工完了後.jpgで保存した写真をInkscapeで開き(インポート)、切り抜きとカット線の作成。
最後に左右反転させます(★2)。

★1および2 実際にデータ作成する時は際は必要に応じて行ってください。



◆『ibisPaint』、『Inkscape』 使用感について
●『ibisPaint』
 そもそもイラストや漫画を描く用のアプリのため、それについてのツールは沢山揃っていて写真加工も特に問題なく出来ると思います。
 しかし前述で紹介した『モノクロ1ビット』(もしくは『モノクロ2階調』)モードの代わりで使用した『マンガ調背景』フィルターは、『モノクロ1ビット』(もしくは『モノクロ2階調』)モードと見比べると若干ニュアンスが異なり、『マンガ調背景』というだけあって漫画っぽい仕上がりになります。
 とはいうものの、この「若干のニュアンスの違い」の感じ方は人それぞれで、使用する写真にも寄ると思いますので、気にならなければOKだと思います。

●『Inkscape』
 独自のカラーパレットが設定できる(上図↑下部、登録した16色のtrotecカラー)他、トレース機能もあって作図するには特に問題なく使用できると思います。
が、ショートカットキーが時により使用できたり出来なかったりする、JCに移行する際、まったく同じデータを移行しても、その時々でカット線が彫刻で移行されたり、ハーフトーン調整で『カラー』を選択しても白黒(『ディザ生成』?)で移行されるなどし、少々手間取ることがあります。
 しかし、カット線はカット線、彫刻は彫刻で正常に移行できればその後は問題なく加工に進めますので、思った通りにできないことでオロオロ、ソワソワ、イライラしなければ十分に使えると思います。
 また、上↑の図では赤と青のカット線を描いていることが判りやすいようにカット線用に使用する線幅0.001㎜よりも太い線で描いていますが、実際に0.001㎜の線幅で描くと画面上で見えなくなります(6000%くらいまで拡大すると見えます)。
 しかし画面上で見えないだけでカット線としての使用はできますので慣れれば問題なしです。

 とまぁ、ここまで紹介しましたが、前回でも書いた通り必要なツールさえ揃っていれば作図や写真加工に使用するソフトは何でも良いので、今回紹介した2つのソフト以外にも良さそうなものがあればそれを使用してOKです。
 但し、こちらも何度も書きますが、パソコン自体に不慣れな方、少し何かいつもと違うことが起きると不安になる、イライラする、取り乱すなど自己解決できない方は、チャレンジせず、Corel DRAWやIllustrator、PHOTO-PAINT、Photo Shopを使用してください。

加工に進みます。
今回は3mmの透明アクリル(キャスト)板を使用しました。
データ作成後、JCへの移行は特に変わらず。

Speedy300 60w、1.5inchレンズ、太口コーン使用
DPI:1000
彫刻:パワー 20 スピード 20 PPI 1000
カット:パワー 30 スピード 0.2 PPI 20000

写真彫刻なのでDPIは1000、両面の保護紙(フィルム)を剥がして加工します。



 透明の板に彫刻したので、彫れていない部分(白くなっていない部分、猫の黒い毛の部分や目玉)は透明のまま、背景が透けて見えています。




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