Speedy100でゴム印の柄をつくる【アクリル板のカット】

今回は前回に引き続き、ゴム印の柄をアクリル板で作ります。


 前回はゴム印のゴム部分を作成しましたので、今回はその柄(持つところ)を作成したいと思います。

前回のページはこちら↓
https://trotec-m.blogspot.com/2023/10/speedy100.html
Speedy100でゴム印をつくる(2023.10.31更新)


 先ずはデータから。

異なる厚みのアクリル板4枚をそれぞれカットした後、貼り合わせて好みの長さにします。
柄を作成する用のカット線のデータは専用に作ってもOKですが、Ruby内でゴム印用のデータからカット用の線だけを抜き出す(カットに必要ない部分を削除する)ことも出来ます(※)。

Ruby内の編集画面で不要な部分を削除します

※IllustratorやCorel DRAWなど作図用ソフトで作成した場合、JPGやBMPなど画像ファイルで用意した場合、ともに。

但し、ゴム印用データをJPGやBMPファイルで用意した場合やphotoshopなどドロー系ソフトで作成した場合はゴム印用カット線を流用するかもしくは別途、アクリル板用カット線が必要です。


●使用レーザー機 その他
・Speedy100 45W
・2.0inchレンズ

●その他用意するもの
・アクリル板(キャスト板、今回は厚み2mm、3mm、5mm、10mm 計4種を用意しました)
・アクリル用接着剤(使用は箱に記載の使用方法および注意書きに従ってください)
・両面テープまたは接着剤(合成ゴム対応用、柄とゴム板の貼付に使用します)


●加工について

・レーザー機の特性上、カットの断面は極僅かに台形(※)になります。
同じ図形でカットを行ったものを複数枚重ね合わせた時、断面を触るとほんの少し凹凸を感じるようになります。

※レーザーを照射した面の方が底面よりもレザー光を強く受けるため切り口が広くなり、底面に行くにつれレーザー光の当たりが弱くなるため狭くなります。

【 イメージ図 】
差が解りやすいように傾斜を大きくしています。実際の差は極僅かです。

・アクリルなど樹脂製品はレーザー機でのカットの場合、レーザーの熱で材料を溶かして切っています。
同種類の材料でもその原材料の配合や板の厚みによりカットの出来具合(材料の溶け、煙の量、汚れ方など)が異なります。
実際に使用する板でテストカットを行い、理想に合ったパラメーター設定を行ってください。

・治具(★)を用いてアクリル板を加工台から浮かして加工を行うことで、加工台からの反射による汚れや焼け、加工中の煙(ガス)の滞留による汚れ、発火を軽減させることが出来ます。

・今回の動画では保護紙を両面とも剥がして加工しました。
アクリル板を加工台から浮かし、パラメーター調整を行ってもなお板面の汚れが気になる場合は、アプリケーションシート(★2)を貼っての加工をお薦めします。

但し、5mmを超える厚みの材料をカットする場合は特に火が出やすく、保護紙その他、板面をカバーするものの燃焼により失火に繋がることがありますので、両面ともにカバーするものが無い状態での加工をお薦めします。
また、保護紙有り、無しに関わらず加工中は絶対に目を離さないように注意し、火がついた場合は速やかにレーザー機を停止させ消火を行ってください。

★治具の作り方
https://trotec-m.blogspot.com/2018/11/blog-post.html
治具をつくる 【板材を浮かせる 編】(2018.11.9更新)

★2 アプリケーションシート
和紙製、低粘着のもの。
アクリル板購入時に貼られている保護紙やフィルムをアプリケーションシートに貼り替えます。


 加工に進みます。

●アクリル板加工 作業の流れ

①Rubyの「管理」画面でデータを開きます。
②「オブジェクトにデザインサイズを合わせる」アイコンを押し、デザインの枠をオブジェクトに合わせます。
③「ジョブを作成」ボタンクリックします。
④「準備」の画面でジョブを配置し材料を選択します。

⑤「キューを作成」もしくは「キューを作成製作へ」をクリックします。
⑥「製作」の画面もしくはレーザー機本体のスタートボタンを押してカット開始


■ポイント

作業② ゴム印用のデータを流用する場合は、この時に柄に使用する材料のカットに不要な部分をキーボードの「Delete」キーで消しておきます。

・彫刻用データ(同色で作成したデータ)をすべてまとめて消したい場合は「すべてを選択」にチェックを入れ「Delete」キーを押します。

また、元データ(ゴム印用データ)を残しておきたい場合は「新規として保存」をクリックすると、内容変更後のデータが「〇〇〇.拡張子(新規)」(例/「いいねスタンプ.ai(新規)」)として、画面左側の一覧の元のデータの上に表示されます。
ファイル名を変更したい場合は画面右側上方の「デザイン名」を書き換え「新規として保存」をクリック。
変更後のファイル名で画面左の一覧に表示されます。

※「上書き保存」をクリックすると流用元のデータのファイル名が更新、上書きされます。

画像をクリックすると大きくなります


◆「準備」の画面でジョブの右上に表示される鉛筆のマークをクリックして出る「ジョブ」の画面でデータの編集を行った場合は、「ジョブの更新」をクリック後、ジョブの画面で「新規として保存」もしくは「上書き保存」をクリックするとジョブとして保存されます。「デザイン」の一覧には保存されません。

作業④既存の材料設定が無い場合は右上にある赤いTrotecのロゴ左側『三』をクリック→『材料』で材料を作成します。


●パラメーター設定/加工タイム

・2mm 約13秒
パワー/90 スピード/0.4 Hz/20000

・3mm
パワー/90 スピード/0.3 Hz/20000

・5mm
パワー/90 スピード/0.2 Hz/20000

・10mm 約1分20秒 
パワー/100 スピード/0.05 Hz/20000 Zオフセット/+0.17mm

※目安としてご覧頂き、ご使用のレーザー機のw数や実際に加工を行う製品(加工対象物)により調整してください


●加工イメージ動画


・レーザー機稼働中は絶対に目を離さないでください。

・撮影用にレーザー機の蓋を開けて加工を行っています。実際に加工する際は必ず蓋を閉じて行ってください。


●完成

先に作ったゴム、アクリル板を接着剤もしくは両面テープで貼り合わせ完成です(^^♪







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