Speedy100でゴム印をつくる

  久しぶりの今回は次回との2回に渡りゴム印とその柄の作り方についてです。


 以前はJobcontrolでの作成を紹介しましたが、今回はRuby(★)での作成を紹介したいと思います。

以前Jobcontrol使用でご紹介したページはこちら↓
https://trotec-m.blogspot.com/2015/07/blog-post.html
スタンプモードでゴム印を作る(2015.07.03更新)

★2022年2月 従来のJobcontrolに変わり、新しくレーザー加工機制御用ソフトRubyがリリースされました

詳しくはこちら↓
https://www.troteclaser.com/ja/laser-machines/laser-software

先ず1回目はゴム印の作り方。
データ作成から。


 作図用ソフトもしくは画像編集用ソフトで作成(※)しますが、スタンプにするための白黒反転や彫刻溝(凹凸)を台形にする(ショルダーを形成する)ためのグラデーションなどは後程Rubyで設定出来るので省略し、実際にスタンプを押したイメージ(白黒2階調)の状態でデータを作成、保存します。

(※)彫刻用データを画像編集用ソフトで作成した場合、用意した彫刻用データが.jpgや.bmpなど画像の場合はゴム板をカットするための線を別途作成する必要があります。
作り方は下記↓『★ポイント』にて。


◆使用レーザー機 その他
・Speedy100 45W
・1.5inchレンズ

その他用意するもの
・ゴム板(トロテック製品 厚み2.3mm、レーザー加工用ラバーシート(シリコン樹脂板)※)
・歯ブラシ(ゴム印作成後ホコリを掃う用です)
・水(ゴム印のホコリを丁寧に掃った後、水道水で洗います)

※レーザー加工用のゴム板をお薦めします
天然ゴムや合成ゴム、レーザー加工用以外のシリコン樹脂ゴム等は溶ける、焼けるなどするためレーザー加工には不向きなものが多いです。(加工できるものもあります)


◆加工について

・とても細かなホコリ(粉塵)が大量に出るため、集塵脱臭機のフィルターが詰まりやすいです。
集塵脱臭機の液晶パネルを見ながら小まめにフィルターを交換してください。(filter:70~80%での交換がお薦めです)
・加工終了後、歯ブラシで丁寧に細かな凹みの部分は特に入念にホコリを掃い、掃い終えた後、残ったホコリを水道水で洗い流してください。
・『有毒ガスの発生』という面では、塩化ビニール以外のものであればレーザー加工用ラバーシート以外のゴム板の加工も行ってOKですが、窓を開けるなど十分に換気をし、体調管理を行ってください。
・レーザー加工用ラバーシート以外のゴム板を加工する場合は、本加工の前にテスト加工を行い様子を見ることをお薦めします。
加工中に火が出た場合はすぐに加工を中止し、速やかに消火してください。


 加工に進みます。

パラメーター設定 (加工サイズ:約30×30mm 加工タイム:約3分40秒)
・彫刻/ パワー 100 スピード 6.0 PPI 1000
・カット/ パワー 100 スピード 0.3 Hz 1000
・エアアシスト/ON
・レリーフ/ON(チェックを入れる)

目安としてご覧頂き、ご使用のレーザー機のw数や実際に加工を行う製品(加工対象物)により調整してください。


ゴム板加工 作業の流れ  (説明文内画像はクリックすると大きく表示されます)

①Rubyの「管理」の画面で「ファイルをインポート」もしくはクリック&ドラッグでゴム印加工用のデータを呼び出します。

②「デザイン」の画面で「オブジェクトにデザインサイズを合わせる」アイコンをクリックし、デザインの枠をオブジェクトに合わせます。

③「スタンプの生成」アイコン(スタンプのマーク)をクリックし、内容を確認後「スタンプの生成」をクリックします。

④スタンプ用の反転されたデータが画面左脇のデータ一覧に作成されるのでそのデータを選択し、「ジョブを作成」をクリックします。

作業の流れ①~④ 左上画像から緑矢印の方向順に

⑤「準備」の画面でスタンプモードのアイコンをクリックし、データをアクティブ(表示されているデータが灰色から白黒+カット線色に変わります)にします。

⑥材料の欄で使用する材料テンプレートを選択、彫刻の設定メニュー内「レリーフ」にチェックを入れます。

⑦ショルダーを決めます。

⑧ジョブを実際の加工場所に配置し「キューを作成」もしくは「キューを作成製作へ」をクリック。

⑨「製作」の画面もしくはレーザー機本体のスタートボタンを押して彫刻およびカット開始

作業の流れ⑤~⑨ 左画像から緑矢印の方向順に

⑩加工終了後、ゴム板に付いたホコリを歯ブラシを使用して丁寧に払い落とし、水洗いします。

★ポイント

作業② Illustratorなど作図ソフトで作図を行った時アートボードのサイズよりも作成した図形が小さい場合、アートボードのサイズの余白がある状態でRubyに読み込まれます。
この余白を無くすために「オブジェクトにデザインサイズを合わせる」をクリックします。
そのため、アートボードと同サイズの図形を作成した場合は押さなくてもOKです。
また、Illustratorの場合、「裁ち落とし」を有効にしていると、アートボードの枠から裁ち落としの線(赤いライン)までの間がRubyで余白として読み込まれます。
不要な場合は、Illustratorの「ドキュメント設定」で「裁ち落とし」を「0mm」に設定してください。

作業③ 「スタンプの生成」アイコンをクリックすると各種設定の画面が表示されます
『初期設定』
・自動カットラインタイプ/なし
・カットラインからの最小距離」/1.0
・ミラー/チェック有

●自動カットラインタイプ/「長方形」「サーキュラー」「最適化」で長方形や丸、彫刻内容に沿った大まかな外周に切抜きが出来ます。
その他の形に切抜きたい場合は作図ソフトで彫刻用データを作成する時にゴム板のカット線も赤色(R:255 G:0 B:0)で作成しておきます。

※作図ソフトでカット線を作成した時は「自動カットラインタイプ/なし」で設定

●カットラインからの最小距離」/彫刻部分外周からカットラインまでの距離(mm)です

●ミラー/チェックを外すと反転しません

作業④ 読み込んだデータとは別に、データ名の後に「スタンプ」と書かれた、左右および白黒反転したデータが画面左脇のデータ一覧に表示されます。
★選択すると画面中央の枠には左右反転された、白黒反転されていない状態のデータが表示されます

作業⑥ ゴム板加工用の材料テンプレートをまだ作成していない場合は、trotecロゴ左の「」をクリック、開いた操作ガイドバー内「材料」をクリックし材料を作成。
★「レリーフ」のチェックは材料作成時に彫刻の設定メニューで入れても、後程材料テンプレート選択時に入れてもどちらでもOKです。
★「レリーフ」にチェックを入れないとショルダー(印面脚部分の傾斜)が作成されず、通常彫刻時の溝凹になります。
★材料テンプレートはRuby既存の「Rubber 2.3mm」を使用してもOKですが、必ずテスト加工を行い、実際に使用するゴム板に合うようパワーとスピードを調節してください。

※「Rubber 2.3mm」は初期設定では「レリーフ」にチェックが入っていません

作業⑦ ショルダーは緩、中、急から選択できます。

作業⑨ ゴム板加工中火花が上がります。引火の可能性があるため加工対象物の周囲には燃えやすいものは絶対に置かず、加工中は目を離さないでください。


◆イメージ動画 参考にご覧ください(*^-^*)b

◆動画について
・レーザー機稼働中は絶対に目を離さないでください。
・撮影用にレーザー機の蓋を開けて加工を行っています。実際に加工する際は必ず蓋を閉じて行ってください。















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