ワイングラスに彫刻

 今回はロータリーアタッチメントを使用しワイングラス(シャンパングラス)に彫刻したいと思います。
 レーザー機はspeedy300 80w機、ロータリーアタッチメントを使用します。



●用意するもの
ワイングラス(シャンパングラス、市販品)
キッチンペーパー(エンボス加工など凹凸がないもの)
霧吹き(中身は水道水)


 写真はドローイングソフト(PHOTO-PAINT、Photoshopなど)で白黒変換、その他加工をしておきます。
 後ほど試彫刻を行い濃淡やハイライトの微調整をしますので、各ドローイングソフトのオリジナル形式(.cpt、.psdなど)での保存を忘れずに。



 加工した写真をCorel DRAWにインポートし、下↓のようなデータを作成しました。
 今回使用するワイングラスの内、彫刻する部分の一番幅の広い所の直径が約59mmでしたので、その外周 約185.35mm(※1)に少し余裕を持たせて、横187mm×縦50mm(※2)のサイズ内に収まるよう配置しています。

グラスの外周を一周し、円形の飾り枠を手前正面に見ると
中に犬の写真が見えるように作図しています

※1 レーザー機本体の電源を切った状態でロータリーアタッチメントを設置し、本体の電源を入れる→彫刻用データ作成ソフト内『印刷(プリントアウト)』をクリック→印刷設定画面内『環境設定(詳細設定)』をクリック→Trotec Engraver v~のプロパティ内『サイズ設定』欄左下『ロータリーアタッチメント』のチェックボックスにチェックを入れる→同欄右下『φ』にグラスの直径を入力する

 上記で『サイズ設定』欄内『幅』のところに外周が自動で表示されますので、測るより正確でラクチンです(^_^)b

※2 ロータリーが回転しますのでY軸(グラスの外周、データ横幅)の彫刻は外周一周分でも問題ありませんが、X軸(データ縦幅)はグラスに対し平行のみの動きになります。
 グラス曲面の角度(高低差)により彫刻可能な最大幅が異なりますので、使用するグラス毎に調整してください。


 グラスをロータリーアタッチメントに固定し彫刻に進みます。

 前回(2015年8月11日)紹介したロータリーを使用しての彫刻では、瓶に彫刻をしましたので専用の治具を作成しロータリーに取り付け、加工ましたが、今回はグラスですのでロータリーは基本の形状のままで加工します。

ロータリーの基本形
左に山型、右に浅い碗型の治具が設置されており、
グラスや筒状のものを挟み込み固定出来るようになっています

 今回は曲面に彫刻しますので、位置合わせは加工を行う範囲内の一番高い場所と一番低い場所の中間程度が適切かと思います。
 但し、使用する写真の濃淡やその配色、彫刻位置(高低差)などにも影響されますので、試彫刻を行い適切な場所を探ってください。



 彫刻部分にキッチンペーパーを水で貼り付け、彫刻をスタートさせます。
充分水を含ませた後彫刻に進みますが、途中ペーパーが乾燥してきたら機械を一旦停止させ、霧吹きで水分を補給してください。
ペーパーが乾燥してくると集塵機の風やロータリーの動き等により捲れ上がったり剥がれたりします。
そのままの状態で彫刻を続けると彫刻ムラの要因になったり、失火に繋がる場合もあります。
彫刻中は目を離さず、必要に応じて水分の補給を行ってください。


 ちなみに。
試彫刻とデータ調整を繰り返した結果、彫刻用画像は下↓のようになりました。


  濃淡およびハイライト調整の他、黒い部分の塗り足し、毛並みの描き足しなども行っています。
 
 カーブや高低差のない筒状のもの、平面などへの彫刻の場合は、レーザーが彫刻対象物に対し均一な状態(焦点がすべての位置で合っている)で照射されるので細部に渡る微調整はそこそこで良いことが多いですが、曲面への彫刻の場合、対象物の高低差により彫刻の出来加減が異なります(焦点が正確に合っている箇所と合っていない箇所が出来るため、彫刻が掠れる・出来ないなどに繋がる)ので繰り返しの試彫刻とデータ調整が必要となります。


 そして出来上がりは下↓のように。


 花飾りの輪郭や細い部分も鮮明、犬の写真も毛並みが解る程度の出来上がり。
なかなか良い仕上がりになりました(^_^) ♪





 今回使用したデータはこちら↓
ダウンロード後、解凍してご使用ください(^_^)b

http://firestorage.jp/download/2c9c5d7b176ce45a5437987b2fa8e862ce92aa5e
Corel DRAW X3

http://firestorage.jp/download/4fa8b8e1fe9672b2f50e32b06900fbc9aedeaf9b
Illustrator CS





 

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