JCV(ジョブコントロールビジョン)の基本を考えてみる

 今回はJCV(JobControl Vision)の基本を考えてみたいと思います。

 以前(2016年1月19日UP 『ジョブコントロールビジョン~製品案内とデータ作成~』その他2件)にもデータの作成方法やJCVの操作方法をご紹介しましたが、今回は加工に入る前、準備段階で動作エラー(『レジマーク1/4がありません』など)を防ぐための基本ポイントを押さえていきたいと思います。

 用意したデータは以下の通り↓。

印刷用データとカット用データを重ねた状態です
上図データの中で重要ポイントは2つ。
レジストレーションマーク(レジマーク)の大きさとその位置、です。

 レジマークの大きさはφ約2~12mmの範囲内であれば読み取り可能(trotec推奨6mm)、本ブログでは以前『φ3mmで作成』と紹介しましたが、φ約4mmがベスト
 『加工対象物(板材)を出来るだけ無駄なく使いたいが、読み取りが不安定で度々手動の位置調整が必要になるのも面倒』という場合などに、大き過ぎず小さ過ぎずのこの大きさが妥協点だと思います。

 レジマークを付ける位置は4点ともにカット内容よりも外、です。


  少々であれば内側でも大丈夫ですが、読み取りエラーを起こしその度に手動で位置合わせをする、自動で読み取り・稼動してもカットがずれる・・・などという手間や資材のムダを省くためにも、外側に付ける事をお奨めします。


 そして解像度(DPI)
DPIは1000で。
1000dpi以下でも大体は大丈夫ですが、稀に、目視では困難な程のデータ内でのわずかなピクセルのずれによりカットがずれる・歪む場合があります。
なので、より精密な1000dpiがベストです。


 その他に、カットする板材を置く位置も大切。
JCV無しの時、加工対象物(板材など)を交換しながらカットや彫刻など同じ動作を複数回繰り返したい場合、加工対象物に対する加工位置が重要な時(この場所に彫刻・カットしたいなど)は特に、予め治具(型枠)を用意しその治具に加工対象物を沿わせて加工を行い、加工位置のずれを防ぎます。

 この作業はJCV有の時でも必要です。
JCVがレジマークを読み取り、位置や歪みなどを自動で判断し修正してカットを行いますが、加工対象物を先の時とは異なる位置に置いた場合、位置のずれが大きいと『レジマーク1/4がありません』などのエラー表示がされ手動で位置調整をする必要が出てきます。

 データ内でレジマークを付ける位置同様、加工する時の加工対象物を置く位置も大切ですので、 
加工中の手間を省くためにも治具(型枠)の設置をお奨めします。
 

 レジマークと加工対象物の色の関係。
これは印刷物(加工対象物)を用意する時の注意点ですが。
 
 まずJCVの基本的な機能として、JCVは加工対象物に付けたレジマークに光を当ててその反射の差を読み取り、jobcontrolの画面に配置したデータと照らし合わせ、位置や歪みを自動計算してカット位置を特定しています。
 なので、透明色や色付きの板材(白色以外)を加工対象物にする場合、レジマーク(黒●)の下に白色(白ベタ)を置くとよりスムーズにJCVがレジマークを読み取ることが出来ます。

 板材が黒色や色味の深い色の場合、レジマークを白〇にするのも有効的ですが、ツヤや光沢有りの板材の場合など特に、板材からの光反射による読み取りエラーを考えると、白ベタに黒●がより有効的です。

 また、透明色の板材を使用する場合、印刷面の裏側からカットを行いたいというケースが多いかと思いますが、加工対象物からの光反射や光の屈折による読み取りエラーに繋がる場合がありますので、『度々エラーが起こる』『上手く読み取れない』などの場合、印刷面にレジマークを設置し様子を見てください。
 
 尚、上記説明のレジマーク(黒●)および白ベタはすべてマット色です。
ツヤ・光沢があると光反射が起き、読み取りエラーに繋がる場合がありますので、マット色が適しています。



 以上、基本点をおさえ、より快適にJCVをご利用ください(^_^)b











 

コメント