fiberでMy ノギスを作る(目盛りのマーキング)

 年明け第1回目の今回はSpeedy300 flexxのfiber(ファイバー)を使用して”ちょっとしたお遊び”をしてみたいと思います。


 以前にも本サイトで紹介しましたが、SpeedyシリーズのFiber(ファイバー)を使用すると、アクリルや金属の表面を酸化・退色させる事によりマーキングを施す事が出来ます。
 
 参考:http://trotec-m.blogspot.jp/2015/09/co2fiberflexx.html
2015年9月14日UP 『co2(炭酸ガス)とfiber(紫外線)とflexx』

 上記を利用し、ノギスの目盛りをファイバーでマーキングして『自分だけのノギス』を作成します。



 まずはデータから。
 今回はCorel DRAWを使用し、9cmの主尺と精度0.05mmで20目盛りの副尺のデータを用意しました。(※ ノギスの原理と計算式は下記↓にて)




マーキングを行うのはは黒色部分。
黄緑の線はマーキングを行う際のガイドラインですので、実際に加工する時はjobcontrol内で『スキップ』でとばしておきます。

 ●その他用意するもの
・ノギス(ABS製)
・除光液(ノンアセトン ネイルリムーバー)
・ティッシュまたは化粧用コットン(印刷を消す際に使用します)

 ノギスと除光液は100円ショップで販売しているものでOK。
但し除光液はノンアセトンのものを用意してください。
購入時ノギスに印刷されている目盛りを拭き取る(消す)ために使用しますが、アセトンが含まれる除光液を使用するとツヤがなくなる、溶けるなどし、ノギス表面を傷めてしまう恐れがあります。

●使用機器
レーザー機:Speedy300 flexx、fiber 30w
レンズ:3.2inch(ファイバー専用)
コーン:不使用
エアーアシスト:off
DPI:1000

●パラメーター
power 25 speed 20 PPI 50000 Zoffset 無し

★上記は一例です。
加工対象物の材質、原材料の配合具合によりパラメーターの適正値は異なります。
目立たないところでテストを行うなどし、実際の加工対象物に見合った値を探ってください。


 主尺と副尺、その他すべてを一度の加工でマーキングします。
(分けてのマーキングも可能かとは思いますが、その場合、主尺と副尺にずれが生じないよう、十分に位置合わせを行って下さい)
ノギスのジョウ(外側測定面)をしっかりと閉じマスキングテープで固定するなど動かない様にし、本体と加工データのバランスを見ながらマーキングを行ってください。

 
 
縦方向のずれ(主尺と副尺の境目がずれマーキングが食い込む)も生じることなく、キレイに出来上がりました。

 今回使用したノギスはマーキングを施した文字や目盛りは渋い感じの金色っぽい黄土色に仕上がりになりましたが、加工対象物の材質(ABS樹脂、アクリルなど)の他、同じ材質でも原材料の配合によって色味と発色の具合は異なります。
色味および発色の指定はできませんので予めご留意ください。


※ノギスの原理と計算式
前提として、今回作成したデータは 主尺39mm、副尺20目盛り です。

・主尺の39目盛り目(39mm)に副尺の20目盛りが目が一致(目盛りの線が丁度合わさる)
・副尺の一目盛りは主尺の約2目盛り分
・副尺一目盛りは39mm/20
・0以降、主尺と副尺で最も近い目盛りからの差は
2mm(主尺2目盛り)-39mm(主尺39目盛り)/20=1/20=0.05mm

よって精度0.05mm

 他にも 主尺39mm、副尺40目盛り 精度:1mm-39/40mm=0.025mm など応用は可能。
 ですが、今回案内した内容の場合、ABS樹脂製の簡易なつくりのノギスである事や手振れなどを考慮すると、あまり精度の高いものを作成しても精密な計測は困難かと思います。
 『だいたい測れれば良い』程度の計測にご活用ください(^_^;)









 

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