治具をつくる【型枠をつくる 編】

 今回は『治具をつくる』第二弾、基本的な型枠の作り方の紹介です。


 「ボールペンや鉛筆その他、既製品の所定の位置に名入れなど彫刻を行いたいが、1つずつなど到底面倒。複数並べて一度に行いたい」こんな時に必要になるのが『型枠』。
 単に『型枠』と言っても、それぞれの製品によりその形状に沿ったものが必要となりますが、今回はその中でも一番基本的な、ボールペンへの名入れ用の型枠の作り方を紹介したいと思います。


 まずはデータから。
※以下、Corel DRAWX7での説明になります。

◆作図手順
①彫刻を行うボールペンの長さ、幅を測り、四角い枠を作る。(上図内 赤枠)
この時、クリップの有無やボールペンの形状、名前を彫刻する位置を念頭に置き、型枠に使用する板の厚み、四角の形状(台形にする、ボールペンの太さよりも少し細い枠にするなど)を考えます。

②名前を彫刻する位置を決め、①で作成した枠の中に名入れ位置の基本となる枠を作る。(上図内 黄緑枠)
この時同時に、実際に彫刻を行う文字の書体、大きさで、枠の中に予めサンプル用の文字を入れておきます。

③型枠の外周を作図(上図内 青枠)し(※1)、②で出来上がった枠を配置する。
1本目の位置が決まったら、『連続複製』(※2)で必要な分だけ型枠を複製して完成です。

※1用意した板材をカットせずそのまま使用する場合も、板材の縦・横サイズを測り作図してください。
※2画面に表示されていない場合は、上部ツールバーより『ウィンドウ』→『ドッキングウィンドウ』→『連続複製』をクリックにて。

◆データ説明
 赤の線でボールペンを並べる型枠、青の線で型の外周をカットします。
黄緑の線は名入れの位置を示すもので、実際のカットには使用しませんので、加工を行う際はJobcontrolで『スキップ』で飛ばします。
青の線は用意した板材をそのまま使用する場合はカット省略してOKですが、材料の左上隅(加工台の(0,0)原点に合わせる部分)の角が必ず90度である事を確認してください。

★型枠を作成する際、加工台に型枠を置く時の位置、jobcontrolの画面内にデータを置く時の位置、型枠にボールペンを置く時の位置など、予め位置の指定を彫刻しておいたり、マジックなどで書き込んでおくと便利です。(上 右図)



 型枠を作った後は『オブジェクトマネージャー』内で『文字』と『型枠』をレイヤーで分けておき(上図内 赤○)、文字の部分だけを打ち換えます。
型枠のレイヤーは書換えや移動が出来ないようロック(上図内 緑○)しておくと安心です。
 文字の入力が終了したら、①②③で作図した型枠もすべて一緒にJobcontrolに移行し、文字の彫刻を行います。

★型枠の作成で使用した赤・青・黄緑の線は加工しないように『スキップ』する事を忘れずに。


型枠の加工に進みます。

●用意するもの
MDFやアクリル、サンペルカボード(発泡材)、厚紙など 板材
★反りが無く、左上隅の角が90度、上辺及び左辺が真っ直ぐなものが理想的


●参考パラメータ
◆Speedy300 80w機の場合(レンズは1.5inch、2.0inchどちらでも可)
・MDF 4mm厚
DPI 500 パワー 80 スピード 0.6 PPI 1000

・アクリル キャスト板 5mm厚
DPI 500 パワー 90 スピード 0.25 PPI 7000

・サンペルカボード(発泡材) 5mm厚
DPI 500 パワー 20 スピード 0.15 PPI 1000

★ご使用の機種やワット数、材料により調整してください


●今回使用したデータ(.pdf)↓
ダウンロード後、解凍しご使用ください
http://firestorage.jp/download/77913b9907492d93010e19013e28fd4806419044


 今回紹介したものはあくまで一例です。推奨や指示ではありません。
加工を行う製品に沿った治具を作成し、より良い環境で加工を行ってください(^_^)b












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