fiberでハロウィン向けイラストパネルをつくる

 今回はfiberレーザーを使用しHALLOWEEN向けイラストパネル作成します。


 以前、2回に渡り塗料や素材にfiber(ファイバー)レーザーを照射し、それぞれどんな結果が出るかテストを行いましたが、今回はそのテスト結果を踏まえて、イラストパネルを作成したいと思います。

●以前のページはこちら
fiberを塗料や素材に照射してみる(2018年2月18日更新)
fiberを塗料や素材に照射してみる【その2 カラー編】(2018年3月15日更新)

  以前のテストで、fiberレーザーは黒や暗い色(緑や紫、紺色など)の塗料には反応し塗膜が剥がれるものの、明るい色(黄やオレンジ色など)の塗料にはほぼ無反応、殆どキズもつかないことが解りました。
 そこで今回は、キャンパスに下塗り材と水性塗料の黒色、クリア、オレンジ色で自作の2層板を作成し、HALLOWEEN向けの壁掛け用イラストパネルを作成したいと思います。

●今回ご紹介する方法で市販の2層板の彫刻は行えません。


 まずはデータから。

 今回はIllustrator CS6で作成しました。
黒い部分を彫刻、白い部分が残る状態。黒い部分の塗膜が剥がれオレンジ色に、白い部分が残り黒色になります。


◆用意するもの
・キャンバス(無ければ5mm以上のアクリル板など。薄いと反る場合があります)
・下塗り材(ジェッソ)
・水性塗料:オレンジ、クリア、黒(スプレータップ、ハケで塗るタイプどちらでも可。オレンジは厚塗りが出来るようハケで塗るタイプの方が望ましい)

◆使用レーザー機その他
レーザー機:speedy300flexx fiber30w
レンズ:3.2inch(fiber用)

◆パラメーター
DPI:500
パワー:60 スピード:20 PPI:1000 Zoffset:+2mm Passes:2
エアーアシスト:OFF 発信調整:10(デフォルト)
加工方向:bottom

●加工手順
 キャンバスに用意した材料を下塗り材→水性塗料 オレンジ→クリア→黒の順にそれぞれ2回以上を目安に塗り重ねます。
 色の順番を間違えないよう注意が必要です。
 黒の上にオレンジを塗装しfiberレーザーで加工を行うと、オレンジの下の黒にレーザーが反応し表面がボコボコになります。
 クリア色は無くてもOKですが、その場合オレンジが少し黒くくすんだ色の仕上がりになります。
 少々時間はかかりますが、下塗り材、水性塗料ともに塗る毎に良く乾かしてから塗り重ねてください。
 最終の黒色塗料を塗り、十分乾かした後、彫刻に進みます。

●パラメーターについて
 2回に分けて彫刻を行うことで、1回で行うよりもよりオレンジ色が鮮やかに発色するよう調整しています。
 1回目で黒色の粗方を剥し、2回目で残りの黒色と1回目で加工部分に溜まった彫刻カスを取り除く状態になりますので、2回目を行っても黒色が残っている場合は出力を少し下げて3回目を行って下さい。
★出力が高すぎたり、何度も繰り返し照射を行うと、オレンジ部分の焼けや剥がれに繋がります。
 様子を見ながら調整してください。

●エアーアシストについて
 黒色の彫刻カスの飛び散りを軽減させるために今回はOFFにしています。

●加工方向について
 下(手前)から上(奥)方向へ加工を行うことにより、彫刻カスでの汚れを軽減させます。 
 Jobcontrol10.6以前は上部ツールバーより『テンプレート』→『テンプレートの設定』→『加工の向き』で『bottom』を選択
 Jobcontrol10.7以降は『材料テンプレート』内『方向』で『bottom』を選択


◆イメージ動画です


★撮影用に上面のフタを開けて加工を行っています。実際に加工を行う際は必ずフタを閉じて行って下さい。
★加工中は必ずレーザー機の傍に居るようにし、目を離さないでください。


◆出来上がり

出来上がる少し前、2回目の彫刻中。
 明るいオレンジ色の部分(手前側)が2回目終了後、暗いオレンジ色(奥側)の部分が2回目まだの部分。
 はっきりと色の違いが見て取れます。

加工終了。
 黒の塗膜が剥がれ、はっきりとしたオレンジと黒、2色のイラストになりました。

細かな部分(左写真右端の木 約8×10mm)もキレイに出ています。


★今回使用したデータです(^_^)b

http://firestorage.jp/download/4a290fd15ba37c2eef6c72aa5d1eb1e562252817
PDFファイルです。ダウンロード後解凍してご使用ください。




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