プラバンを加工する

今回はプラバンの加工についてです。

 以前レジンは加工できるか?の検証記事をUPしましたが、今回はたまにお問い合わせがある材料第2弾、『プラバン』の加工について考えてみたいと思います。

レジンの加工についてはこちら→UVレジンを加工してみる(2022年3月18日更新)


 まず初めに、プラバンとは?から。

プラバンとはプラスチック製の板の総称です。
そのためアクリルやポリカ(ポリカーボネート)、ABSなどの板もプラバンの内に入りますが、100均やホームセンターなどの市販品で『商品名:プラバン』として販売されているものは凡そポリスチレンの板です(★)。

★ポリスチレン以外、ポリエチレンなどのものもあります。詳しくは商品パッケージ、説明書にてご確認ください。


 という事で今回は、ポリスチレン板の加工についてです。

●使用レーザー機その他
・Speedy100S(※) 30W機
・2.0inchレンズ
・細口ノズル

※Speedy100S
Speedy100がリニューアルされ、Speedy100S(スマート)になりました!
詳しくは→『Speedy100 リニューアル!』


●材料
・ポリスチレン板
 厚み0.2mm(100均で購入、商品名:プラバン)
 厚み1.9mm(100均で購入、商品名:クリップボード)


●加工結果
・彫刻:可能
 ただし、パワー/10 スピード/30 など比較的低出力で彫刻しても文字の線幅が広くなるほか、彫刻溝や外周が溶けて凹凸が出来、触れるとボコボコした感じになります。

・カット:厚み0.2mm程度の薄いものであれば可能
 厚み0.2mmの場合 パワー/7 スピード/0.8 Hz/20000
 ただし、切り口が少し太くなるほか、カット断面が鋭角ではなく溶けて盛り上がった状態になります。
 厚いもの(1.9mm)をカットした場合、貫通はしますがカット直後から溶けた断面が癒着し抜け落ちない状態になります。


●その他
・カットを行うと白い煙が多く出ます。
 強い臭いや目の痛みなどは特に感じられませんでしたが、加工終了後はレーザー機のフタを閉じたまま庫内から煙が引くまで少し待った方が良さそうです。


●加工イメージ

・0.2mm厚

(↑写真 左 / カット断面  右 / カット出来上がり)

カットは出来ましたが、断面は丸く膨らんだようで、断面のフチは触れると溶けてボコボコしていることが解ります。
抜けた□を穴(外周)に嵌めてみると 、溶けて切り口が太くなったた分□と穴の大きさが異なる(作図したデータよりも□は小さく穴は大きい)ことが解ります。


・1.9mm厚

(↑写真 左 / 表  右 / 裏 ) 

丸2個はカットの出力設定でしたが、レーザーは貫通するもののカット直後から溶けた部分が癒着し全く抜けない状態に。
『trotec』の文字部は読める程度には彫刻できていますが、文字の線幅がデータよりも太くなっているほか、彫刻溝は溶けて凹凸が出来、触るとボコボコしています。


●総評
 白い煙が多く出るものの強い刺激臭などはないため、切断面の溶けや汚れが気にならないようなものを作成する分には良いと思います。
ただし、切り口が太くなるのでデータはテスト加工を行い微調整した方が良さそうです。




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