石に彫刻する ~データ作成編~

 今回はSpeedy100を使用して石板に彫刻を行いたいと思います。

 但し、当社のレーザー加工機の出力では、ガラス彫刻(※)と同様凹みがほぼ無い状態、ごく浅くキズがつく程度の深さの彫刻になりますので、ブラスト加工や刃物などでの彫刻とはまったく見た目が異なります。
 
石板は彫刻面に凹凸の無い平面、研磨(鏡面仕上)されたものを用意

 まずはデータ作成から。
 今回はスマートフォンで撮影した写真をPHOTO-PAINTで加工した後、Corel DRAWで文字などを付け加え、加工用データにしたいと思います。

★彫刻に適した写真につてはこちら↓
網点データで写真彫刻 1 ~彫刻に適した写真とは?~(2017年7月26日 掲載)

①写真を開き、必要な部分だけを切抜きます。
画面内□の内側(明るい部分)が必要な部分、外側(暗い部分)が不要な部分
  『ファイル』→『開く』で使用する写真を開き、画面左側ツールバー内『切抜きツール』(上図内 赤○)を選択。
 クリック&ドラッグで必要な部分を囲います。
 選択範囲を修正(増減)したい場合は、必要な部分を囲った□の四隅ならびに上下左右にある■の上でクリック&ドラッグすると選択範囲を修正する事ができます。

 範囲が決まったら『Enter』を押し、決定。


②画像のメインになる部分を囲います。
上写真の場合、メイン=犬を囲います
毛並みや爪の先など、雰囲気を壊さないように全体を見ながらの加減が必要
先に、加工する画像の予備を作成しておきます。
 画面右側、オブジェクトマネージャ(※1)内『バックグラウンド』(上図内 緑□)の上で右クリックし『複製』を選択。
『バックグラウンド』が複製され『オブジェクト1』が作成されます。
 ここからの作業はこの『オブジェクト1』を使用しますので、『バックグラウンド』は『ロック』(カギのマーク、上図内 青□)をクリックして掛け、『非表示/表示』(目のマーク、上図内 黄□)をクリックし非表示にしておきます(※2)。

※1 画面右側に『オブジェクトマネージャ』が出ていない場合
画面内上部ツールバーより『ウィンドウ』→『ドッキングウィンドウ』→『オブジェクトマネージャ』をクリック。

※2『ロック』を掛けることで『バックグラウンド』が使用できなくなり、『非表示/表示』を非表示にすることで『バックグラウンド』の画像が見えなくなります。
 少し手間ですが、この作業を行っておくことにより、「気に入らないのでやり直したい」、「間違って上書き保存してしまった」などの時、初期の画像に戻しやすくなります

 画面内左側ツールバーより『フリーハンド マスク』ツールを選択(※)しクリック&ドラッグで画像内のメインになる部分を囲います。
★クリック(始点)したままドラッグしメインになる部分を囲い、2回クリックで終了(終点)。
★囲った部分を追加したい場合は『Shift』を押してクリック&ドラッグ、削りたい場合は『Ctrl』を押してクリック&ドラッグで加減が出来ます。


③画像中のメイン部分以外の部分をぼかします。

 画面内上部ツールバーより『効果』(上図内 赤○)→『フェード』→『ボケぼかし』を選択。
出てきた画面の左下、『プレビュー』(上図内 青○)をクリックし有効にしておきます。

 プレビュー画面を見ながら『ぼかしの量』『フェードのエッジ』『フォーカス範囲』それぞれのゲージをスライドさせ、任意で画像をぼかします。
 決まれば『OK』(上図内 緑○)をクリックし作業を完了します。
 

④画像をモノクロにします。

 画面内上部ツールバーより『イメージ』→『グレースケールに変換』(※)を選択。
 特にゲージを操作する必要はありませんので、そのまま出てきた画面内右下の『OK』をクリックして完了。
 
※画面内上部ツールバーより 『調整』→『グレースケール』でも可。
この時も特にゲージを操作する必要はありませんのでそのまま『OK』をクリックし完了してください。


⑤白黒反転します。

『イメージ』→『変形』→『カラーの色反転』を選択。


⑥色にメリハリをつけます。

 画面内上部ツールバーより『調整』→『トーンカーブ』を選択。
 出てきた画面内左側のグラフをクリック&ドラッグで操作し、画像の黒い部分はより黒く、白い部分はより白くなるようメリハリをつけます。
・グラフ内、斜めの線の上でクリック&ドラッグすると線が動きカーブを描きます(上図内 緑○)。
・『プレビュー』(上図内 青○)をクリックし有効にしておくと、画像を見て確認しながら作業する事が出来ます。

 調整が済んだら『OK』(上図内 黄○)をクリックし作業を完了します。


⑦すべての作業完了後マスクと不要なオブジェクトを削除し、画像を保存します。

 画面内上部ツールバーより『マスクの削除』(上図内 赤○)をクリック。
マスク(②で必要な部分を囲った線、点線)が削除されます。

 画面右側 オブジェクトマネージャ内、バックグラウンド(上図内 青□)をクリックし選択。
 『非表示/表示』(目のマーク、上図内 黄□)をクリック、表示にし、『ロック』(カギのマーク、上図内 緑□)をクリックし解除。
 バックグラウンド(ゴミ箱のマーク、上図内 青□)をクリック&ドラッグし『削除』(画面内 青○)の上まで持ってきて削除(※)。
 
※『バックグラウンド』の上で右クリック、『削除』を選択でも可。

 作業終了後、画像を保存します。


⑧PHOTO-PAINTで加工した画像をCorel DRAWで開き、モノクロ1ビット画像に変換します。

 画面内上部ツールバーより『ファイル』→『新規作成』でページを作成し、PHOTO-PAINTで作成した画像を同ツールバーより『ファイル』→『インポート』で開きます。

 開いた画像のサイズを実際の彫刻サイズに合わせた後(※1)、上部ツールバーより『ビットマップ』→『モード』→『モノクロ(1ビット)』を選択。
 出てきた画面内でそれぞれ設定を行います。
『プレビュー』をクリック 有効にする事で加工前と加工後を比較しながら作業を行うことが出来ます。
・変換方法:ハーフトーン
・スクリーンの種類:丸い
・傾斜:45度
・線数:2ライン(※2)
・単位:ミリメートル

※1 画像のサイズ調整は必ずこの段階で完了させておいてください。
ここ以降の作業中にサイズ変更を行うと、網点のサイズが変わり、出来上がりの見た目に影響が出ます。 

※2 線数(上図内 緑○)=網目(点々)の細かさです。数値を大きくする程目が細かくなります。
使用する画像のサイズにより任意で指定してください。

設定完了後『OK』(上図内 黄○)をクリックし終了します。


⑨文字や飾枠を加えてレイアウトし完成です。

 今回はここまで。
次回、彫刻に進みます(^_^)♪



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PHOTO-PAINTを使用しての画像の加工方法、便利な機能などを随時掲載しています。
必要に応じてご覧ください(^_^)b 






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