アクリル板でメガネスタンドをつくる

 今回はトロテック商材のアクリル板を使用してメガネスタンドを作ってみたいと思います。
(誠に申し訳ございません。トロテック商材の日本での販売は一部を残し2020年3月をもちまして終了致しました。出力設定等はご参考にどうぞm(__)m)


 トロテック商材のキャストアクリル板(3mm厚)はカラーバリエーションが計42色と豊富!なので幅広いカラーイメージでディスプレーやPOP、インテリア、服飾品などを考案、作成して頂く事が出来ます。

◆トロテック商材について(東京本社公式ページです)
https://www.troteclaser.com/ja/laser-machines/engraving-supplies/


 という事で、今回はその豊富なカラーバリエーションの中から5色を使用し、インテリアとしても素敵な(!?)眼鏡スタンドを作成します。


 まずはデータから。
 今回はIllustratorで作成しました。


 複数のパーツにそれぞれ『右用』『左用』、『表用』『裏用』などがあります。
加工中混同しないように注意してください。
 赤がカット線、黒が彫刻。黒は20%、60%、100%の灰色で作成しています。
 今回はjobcontrol内で『最初に内部ジオメトリ』にチェックを入れ加工に進みます。
これを使用する事により、加工物のカット線を全て同色で作成していても内側の線から
カットを始め、最後に一番外のカット線(加工物の輪郭線)をカットするようにレーザー機が判断し加工します。
 
 各パーツを繋げる(差し込む)穴のサイズは実際に使用する部材の厚みをノギスなどで正確に計測し、調整してください。
 同じ3mmのアクリル板でも、個々の板や板の部分により僅かですが厚みに誤差があります。
 今回は『表用』『裏用』など2枚を貼り合せて1枚のパーツにするため、その誤差が顕著に表れることになりますので、パーツを作成する際は
『つる置き』から作成→貼り合せた『つる置き』の厚みを計測→差し込む穴のサイズを調整
の順に加工を進め、最後に『台』を作成するとスムーズに加工を進める事が出来ると思います。

◆材料
★トロテック商材
『TroGlass Color Gloss』(3mm厚アクリル板)
・品番:144598 透明 グリーン
・品番:145792 蛍光 イエロー
・品番:144589 オパール(半透明) レッド
・品番:144592 野外用メタリック メタリックゴールド
『TroGlass Frosted』
・品番:144581 ライトピンク

★その他
・マスキングテープ
・材料浮かせ用治具(参考:治具をつくる 【板材を浮かせる 編】
・アクリル用ボンド(乾くと透明になるもの、接着した周辺が白くならないもの)
・竹串

◆使用レーザー機その他
・レーザー機:speedy300 80w機
・2.0inchレンズ
・太口ノズル
・ハニカムカッティングテーブル

★パラメーター 
・DPI:500
・加工モード:レリーフ
・ハーフトーン調整:ディサ生成
・高度なジオメトリ:ON
・最初に内部ジオメトリ:ON
・彫刻(黒)/パワー:95 スピード:7.0 PPI:1000
・カット(赤)/パワー:50 スピード:0.2 PPI:5000

 アクリル板はそれぞれ両面の保護フィルムを剥し、表にする面(レーザーを照射する面)の、加工を行う部分全体にマスキングテープを貼って加工します。

 アクリル板の裏になる面(レーザー照射する面の逆側の面)にはマスキングテープを貼りませんので、ハニカムカッティングテーブルからの反射や材料浮かせ用治具との接点などで若干の溶けや汚れが付く事があります。
 今回は複数のパーツを組み合わせて眼鏡スタンドに仕立てますので、裏面の溶けや汚れは特に問題ありませんが、気になる場合は裏面にもマスキングテープを貼って加工してください。
 尚、その場合は少し出力不足になりますので、レーザーの出力を少し上げて(パワーを上げる、またはスピードを下げる)ください。
 
◆組み立てのポイント


 彫刻・カットを行ったパーツをそれぞれボンドで貼り合わせ、組み立てに進みます。
作成した各パーツの中には細い部分や、板を彫刻で削り薄くなっている部分があります。破損しないように慎重に組立ててください。


① つる置き(写真内 左上下)
右用、左用それぞれ接着剤で貼り合わせ、右用に『へ』『の』じの『点々』を、左用に『へ』『の』を貼ります。

 『へ』(写真内 右)
写真は説明用に裏向けています。
表になる方が『へ』の字に読める様に、裏側に残りの部品を貼ります。
この時、裏を向けて左側(写真① 緑の矢印の位置)に溝が出来る様に部品を合わせます。
※溝の幅は予め透明グリーン(眼鏡スタンド 右面)のパーツの厚みを計測し、カット時に調整してください。

②ブリッジ(山)を乗せる部分
眼鏡スタンド中央の板(赤色)2枚を貼り合せた後、金色2枚の『も』をそれぞれ、赤い板を挟むように貼り合せます。
 この時、赤い板の『も』と2枚の金色の『も』は少し形状が異なっていますので、貼り合せる位置が重要になります。
 写真②の緑の矢印で示している位置がずれないように3枚を合わせます。

③ 台
蛍光イエローの板の上に透明グリーンの板を貼ります。
各パーツを差し込む穴がずれないように注意が必要です。

④振り子
組み上がった眼鏡スタンドの透明グリーンと蛍光イエローのパーツの間に振り子のパーツを差し入れ、適当な長さに切った竹串を穴(写真④ 緑矢印の位置 約3mmの穴)に通して吊るします。
竹串の両端は透明グリーンと蛍光イエローの板で作成した竹串留めを差し込み、抜けないように固定します。

◆出来上がり


 20%の彫刻は溝(凹み)が殆ど無いスリガラスのような状態、60%の彫刻はアクリル板の3分の1程度の厚み(凹み)に。
 アクリル板1枚分(約3mm)、2枚分(約6mm)の他、3枚分(約9mm、『も』部分など)、彫刻で凹を付けた最小約1mmまで、さまざまな凹凸のある立体的な眼鏡スタンドが出来上がりました(^_^)b 



◆今回使用したデータです。
ダウンロード後、解凍して使用してください。
http://firestorage.jp/download/c40adf979300de5a1d0d126e105ffb535be2074f
(PDFファイル)



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